日本の神話(後編)

母のいる黄泉国にいきたいと泣いてばかりいたマザコン弟スサノオノミコトは、
姉アマテラスオオミカミの誤解を受け、邪心のないことを証明して仲直りします。

が、図に乗って高天原で狼藉を働く弟に怒った姉は天の岩屋に閉じこもります。
ご存知のくだりを経て、高天原を追放された弟はヤマタノオロチを退治します。

弟の6代目の子孫が、因幡の白兎で知られる大国主命(オオクニヌシノカミ)。
ご存知のとおり、毛をむしられ騙された白兎は海水を浴び風で乾かします。

一方、姉の4代目の子孫が、またまたご存知の兄・海幸彦と弟・山幸彦です。
兄に頼んで互いの道具を交換するが弟は釣り針を魚に取られてしまいます。

自分の剣を砕き千本の釣り針を作っても許してもらえず、悩む弟の前に、
塩土老翁神(シオツチオジノカミ)こと塩椎神(シオツチノカミ)が現れます。

彼は、竹カゴの小舟に乗って流れに任せていれば竜宮に着くと言います。
海に生きる人々に必要な知識をすべて備え、製塩法もそのひとつでした。

長々と神話を書いたのは、製塩の歴史が神代の時代まで遡るということで、
現存する日本最古の書物のひとつ、日本書記にも登場しているからです。

ちなみに、この弟の孫のひとりが、若御毛沼命(ワカミケヌノミコト)こと
神倭伊波礼昆古命(カムヤマトイハレビコノミコト)、のちの神武天皇です。

また、塩土老翁神を祀る神社は日本全国に約110社といわれていますが、
これらの総本社は陸奥国一宮(宮城県塩釜市)にある塩釜神社だそうです。

 参考: かみ 日本神話と登場人物 神武天皇東征 塩椎神